コラム0215:現代に蘇る(怪しい)忍者! 『ミスティックウォーリアーズ』


■音楽が本当に素晴らしい

『ミスティックウォーリアーズ』
 それは1993年にコナミから発売されたアーケードゲームです。

 僕がこのゲームに魅せられてしまうきっかけとなったのは、その音楽との出会いでした。
 同時期登場したアクションRPG『ガイアポリス』のサントラCDを買ったところ、『ミスティックウォーリアーズ』の曲もカップリングされていたのです。

 これが冗談抜きで凄くいいんですよ!
 ゲームの方は忍者が現代で活躍するというアクションゲームなんですが、それに合わせて曲の方は“和風テクノ”

 腹を打つ太鼓!
 幻想的なシンセ・ストリングス!
 涙が出そうになるほど物悲しい尺八!
 テンションを高めるエレキドラム!

 シンセと和楽器の組み合わせ、という試み自体は今やさほど珍しくもありませんが、この『ミスティックウォーリアーズ』ほどの成功作はなかなかないんじゃないでしょうか。
 特に尺八の音色は、本当〜に、本っ当〜に泣かせます!
 泣けるテクノ!


 で、そんな折。
 某所のゲーセンでたった一度だけ、このゲームを見かけてプレイした事がありました。
 その衝撃的な内容に、僕は唖然としてしまいました。
 素晴らしい音楽郡とは違ったベクトルで、なんだか凄いことになっていました。
 その強烈な印象は、その後僕の脳裏を離れることがありませんでした……。



■衝撃のゲーム内容

 まずはタイトルデモを見てみましょう。


 現代に蘇るNINJAたち!
 ……なんか忍者じゃなさそうな人も混じってます。

 ではさっそくプレイ開始!
 このゲームはまず5人のNINJAの中から使用キャラ一人を選びます。


 SELECT NINJA!
 凄い。
 いくら忍者だからって、畳部屋に全員揃って正座しているキャラセレクト画面なんて他に類を見ません。
 だいたい、しつこいようですがどう見ても忍者じゃない人が混じってます。
 今回はとりあえず、右端に座っている女性キャラ“YURI”を選択してみましょう。すると……


 深々とお辞儀されてしまいました!
 こちらこそよろしくお願いします。

 と、その時……


 黒人の坊主―――もとい、仲間のNINJAが敵にさらわれてしまいます!
 捕まった仲間の名はBRAD!

 黒人で、どう見ても坊主で、名前が「ブラッド」。
 一体どこが忍者なんだと問い正したくなりますが、いや間違いなく彼はNINJAなのです!

 そんな彼が目の前で捕らわれて……

 
……仲間たち、正座も崩さず見ています
 さすがNINJA、いかなる時も冷静! って、そういう問題じゃありません。
 仲間を捕らえた敵がその場を立ち去ったとき、初めてYURIが立ち上がり、敵を追います。
「ブラーッド!」


■脅威のNINJAたち

 という訳でゲーム開始。


 ハイレグです。
 不自然だとか、スカートはき忘れたみたいだとか言っちゃいけません。
 さすがくノ一、女の色香も武器という事でしょう。そういう事にしておいてください。

 攻撃ボタンを押すと手裏剣を投げます。
 パワーアップアイテムを取ると、さらに手裏剣を連射できます。


 ……なんかマシンガンなみに激しく連射してます。しかも、撃っても撃っても途絶える事がありません。
 さすがNINJA。

 ちなみにYURIではなくKEIMA、そうあのどこからどう見ても歌舞伎役者な仲間のKEIMAが手裏剣を投げると……


 一度に凄い数の手裏剣を投げています。まるでショットガンです。
 さすがNINJAと言うしかありません。

 さらに忍術アイテムを取ると、画面上の敵を全滅させる強力な忍術が使用できます!


「オイノチ・チョウダーイ!」
 なぜ発音がカタコト!?

ンバツ・テメーン!」
 天罰てきめん!? 解るようで解らない日本語です。

 ほかには体力回復のアイテムも登場します。
 そのアイテムとは、ズバリ和食
 道中、さまざまな和食が落ちています。


 アイテムを取ってみると、なぜかその料理の名が叫ばれます。

「テェンラ!」

シィー!」

ドーン!」

「スキキ!」

 だからなぜカタコト!?


 という事で、忍者ゲームなのにメンバーのほとんどが外国人、いやむしろゲーム中に日本人が一人でも登場しているのか? というノリですが、そこになんとも言えない味を感じます。

 実はさらわれた仲間はその後助かりそうになるのですが、逆に主人公を助けようとして死んでしまいます。
 救出劇だったはずが最後には復讐劇になるという悲しいストーリー。これもなかなか味があります。



 いいですよねー、インチキ日本表現

(新規 2003.05.01)
(更新 2024.01.03)